2019年9月4日水曜日

19.倭国と日本国

 『旧唐書』は倭国伝と日本国伝を、それぞれ別に立てている。

 

その倭国伝は「者、古倭奴国は、古倭奴(イト)国なり>」とあり、日本国伝は「日本者、倭之別種也日本国は、倭国の別種なり>」とある。

 

『魏志』倭人伝に「女王東、渡海千里、復有、皆倭種女王国の東、海ることにして、復た国あり、皆倭種。>」とある。

 

「倭種」の皆(国々)とは、倭国とは別種の国である。

 

この「倭種」の国が、『旧唐書』がいう「日本国」ではなかろうか。

 

『旧唐書』日本国伝は「日本の国名の由来について、「以其在日、故以日本為名<その国、日辺にあるをもって、故に日本をもって名となす>」とある。

 

日本の国名の由来は、その国が日辺(ジッペン)にあるからだいう

 

辞書には「日」の字音は呉音で「ニチ」、漢音で「ジツ」とあるが、逆ではなかろうか。

 

普通は清濁が対立するときは元日・連日・休日のように濁っているのが呉音、日本・日課・日報のように濁っていないのが漢音である。

 

初期の遣唐使は漢字を呉音で発音していたので(漢音をまだ知らないので)、「日本」は「ジッポン」と発音していた。

 

その後、遣唐使は「日」が唐音(漢音)では「ニッ」と発音されることを知った。

 

「ジッポン」は「ニッポン」と発音されるようになったが、破裂音を嫌う(唾がとぶので)日本人はいつしか促音のない「二ホン」とも発音するようになり、今では「ニッポン・二ホン」のどちらも「国」をいう正式呼称である。

 

『東方見聞録』マルコポーロ1254-1324は、日本国(ジッポングォ)をジパングZipanguしてヨーロッパに紹介している

 

「日本」の仏名(Japonジャポン)英名(Japanジャパン)は、昔の中国では「日本」を「ジッポン」と発音していたからである(今は「Ribenリーベン」)